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開業までの道のり

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クリニックの建築施工編 その2

2.その他の開業の場合

  • 医療モール型開業
  • リースバック開業
  • メディカルビル・テナント複合ビル開業
(1)医療モール型開業の場合

この形態の場合はほぼクリニック建築のケースと同じ流れで施工されてゆきます。土地については、購入か賃貸かの区別があります。
注意したい事は調剤薬局・駐車場が各クリニックとも共有であること、診療科の組合せ、建物のデザイン、色等のバランスを図り一体性に配慮する必要があります。また、この形態では数ヶ所のクリニックを同時に立ち上げることが難しく全診療科クリニックが揃うまでには1~2年程度かかる場合もあります。一方後から開業するクリニックは先に開業したクリニックの診療科により選択肢が狭められる場合があります。

(2)メディカルビル・テナント複合ビル開業

この場合は特に内装工事をどのようにするか設計士を選定し動線を考慮してどのようなレイアウトにするか検討が必要です。ビル内での開業であるため外看板、入口看板等PR効果が充分出せるようデザインする必要があります。地域的には商業地が多く住民人口が少ない特徴があり、対象患者はサラリーマンがほとんどの状況なので診療時間帯に工夫が必要です。
内部造作や内装工事は通常借主の負担となることが多く見られます。内装工事期間中はビル所有者との話し合いにより通常賃料より安く借りる工夫をいたしましょう。また内部造作を伴う場合にはどの範囲までが造作OKかの確認を事前に取っておくことが重要となります。

(3)リースバック開業の場合

この方式は地主が本来負担すべき建築資金を借主であるクリニック等へ負担させるもので具体的には建築協力金敷金等の名目で負担します。通常建設協力金は賃貸借期間中にクリニックが支払うべき月額賃料から相殺し、負担したクリニックへ返済する方式を取ります。地主にとってはクリニック建物が自己所有となるため借地権の発生を防止することができ建築資金を自前で準備する必要がないという特徴があります。
一方賃借人であるクリニック等は比較的立地環境が良い所で開業することができる。これは地主の負担を軽減するという安心感があることに由来すると思われます。建築施工にあたっては借主の要望を反映させる事が可能ですので、設計士の選定もクリニック側で実施し希望する設計図面を作成すると良いでしょう。一般的には駐車場部分は地代としクリニック建物は家賃として支払うことになります。注意したい点は、建設協力金、敷金等は借主であるクリニックの先生が銀行等から融資を受けますが土地・建物の所有権が地主となりますのでこの物件に担保設定が付けにくく別件担保物を要求されることがありますので資金調達計画を慎重に検討する必要があります。建築施工は設計士、地主が現場を見ていますが借主であるクリニックの先生も現場へ出向き、自分の建物と同様な視点でチェックする必要があります。場合によっては、納得する追加工事や仕様変更を実施する可能性が考えられます。尚、建設協力金の支払い時期については地主が建築業者へ支払う時期と同時期となります。

今後は、医療機器・備品の選定、各種行政手続、スタッフの募集内定、関係者への開業あいさつ、広告手段の検討などについて順次ご案内してゆきます。


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