開業までの道のり

開業コンセプトづくりとスケジューリング編 その1

診療所の新規開業においては、一概に「何が成功か」ということはいえません。
というのも、開業する先生がどういう目的・目標を持って開業するかによって異なってくるからです。開業者数が毎年増え続け、競争が激化しているなかではただ漠然と開業しても成功しないということはいえると思います。「どういう診療所にしたい」というコンセプトづくりと、それにかかる経営資源には「どういうものが必要か」を棚卸しして、きちんと計画を立てて進めていく必要があります。
今回は開業を考える上で参考にしていただきたい「経営資源の活用」と「医業コンセプト検討表」について述べてまいります。

1.経営資源の活用

医院開業に「人・物・金・情報」などの経営資源を集中的に、低コストで準備し、効率よく投下することです。

人(ヒト) 院長、看護師、事務、スタッフ
物(モノ) 土地、建物、内装、医療機器、備品等の設備投資
金(カネ) 自己資金、借入資金等の資金調達
情報 広報、集患施策(経営に必要な情報の収集)
インターネットの活用等

2.医業コンセプト検討表

1.医業目的
ミッション、ビジョン
・成功のイメージ、ビジョンを明確化します。
・立地診断による開業地、開業形態の検討をします。
2.医業構造 ・SWOT分析
・治療行為の提供
・顧客の創造(潜在需要)
3.目標 ・事業計画書のシミュレーション(収入規模はどの程度考えていますか。)
4.医業戦略、戦術 ・患者ニーズに合わせられますか。
"連携""在宅""かかりつけ医""予防"(在宅医療への対応、生活習慣病への改善等)
5.総点検 ・経営資源は大丈夫ですか。(人、物、金、情報)
・事業として組み立てが出来ますか。
6.組織 ・組織づくりが出来ますか。
診療所は医師一人で運営するものでなく、看護師、事務などのスタッフで成り立ちます。スタッフ同士の研鑽し合う"組織づくり"が理想です。
7.医業文化 ・どんな人間の集りにしたいですか、社風、雰囲気、スタッフの意識を高め研鑽を積んでいる診療所ほどスタッフの満足度が高く定着率も良く患者満足度となるわけです。
・常により良い医療と患者サービスを目指すことが地域における診療所の位置づけとなります。

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